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大股戒次郎・ストリップ感激記 女神達の香盤表

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一条さゆりを偲ぶ会&贋作 一条さゆり

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特別編

一条さゆりを偲ぶ会&贋作 一条さゆり



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伝説舞姫の物語を漫画・絵コンテ化。
大股戒次郎・一条さゆり・十七回忌特設サイト 人生の華
http://ohmatatokusetsu.blog.fc2.com/

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新宿の写真は、ウィキペディア「新宿」より、「大ガード」パブリックドメイン画像



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2013年8月3日。一条さゆりさんの17回忌の日。
大阪は西成あいりん地区の立ち呑み屋「難波屋」で
一条さゆりさんを偲ぶ会が行われました。

前から、これだけは行かねばなるまいと、早くに計画していた「遠征」だったので、
はやる気持ちを抑えつつ晴天の大阪に行きました。

なんというか・・・一条さんに初めてお会いするかの様な気分でしたね。



そして、この「偲ぶ会」の翌日、8月4日には
東京新宿で公演された「贋作・一条さゆり」も
観劇。

当記事では、その両方を合わせて書いてあります。

だけど・・・それは・・・私、個人的には、思いもかけず、
もう一人のキーマン・・・「加藤詩子」さんの心境についても
考えさせられた、そんな2日間となったのでした。  



Ohmata写真(転載禁止)  

晴天の西成。新今宮駅近くで撮影した空。






世間の一条さんへの注目度は今も変わらない。実際、この会が終了後、
ネットでは多くの記事が見受けられました



参考リンク①
朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/national/update/0804/OSK201308030173.html
参考リンク②毎日JP
http://mainichi.jp/graph/2013/07/29/20130729k0000e040202000c/001.html


今回の会は写真家で、元興行師の川上譲治さんによる企画だ。 
 
そのためか、伝説の踊り子にしてコリオグラファーの、
飯干未奈さん、旧芸名「渡辺理緒」姐さんが 、
かつての芸名、つまり「渡辺理緒」で献舞をするなど、大変、貴重な
イベントにもなっていた。こんな事、そうそうあるもんじゃない!
そうそう、牧瀬茜姐さんも来る!

さらに劇団「水族館劇場」の路上演劇ユニット”さすらい姉妹”の劇団員の、
鏡野有栖姐さんが主役を勤める路上演劇 「谷間の百合」も
上演される!これも観たかったんだ! 
 





水族館劇場の演劇
” NOSTROMO あらかじめ喪われた世界へ”
・・・の感想が、当サイトの母体サイト「女神達の香盤表」内記事
”大股名物 つぶやきだおれ⑤”にあります。





参考リンク③水族館劇場HP
http://suizokukangekijou.com/news/



参考動画 YOUTUBEより飯干未奈(渡辺理緒)姐さん
当、母体サイト「女神達の香盤表」の、「ストリップをご存知ない皆様へ」でも
動画を貼らせていただいてる伝説の踊り子姐さんです。


動画に問題あれば削除します。

参考動画 YOUTUBEより
「水族館劇場・博多公演」


さすらい姉妹の母体劇団「水族館劇場」は、
こんな大きな野外ステージを組む、人気劇団です。
動画に問題あれば削除します。








到着・・・え?それだけ?


さて・・・
西成に到着したのは14時30分過ぎ・・・。整理券の配布は14時から。
やばい!もし、整理券をもらえなかったら・・・!なんのために
大阪まで来たんだ!


走れ!大股戒次郎!


ドキドキしながら難波屋に到着!
 
店頭前に関係者二人。

「整理券~」と、声をかける前に、

「整理券ですか?どうぞ」・・・と小さな券をくれる。

ホッと安心・・・。

で、見ると・・・まだ30番代・・・

「えええ?大丈夫なの?偲ぶ会!」

いやいや、少人数の方がいいのかもしれない。

・・・なんて、思っていると、入場時間はまだまだらしい。

難波屋さんで呑んで待つという手もあるが、大事なイベントだ。
酔ったウツロな目で観たくない。

じゃあ、時間まで少し釜ヶ崎を歩こう。

なにせ、「~人生の華」を企画した時
金が無くて取材に来れなかったし・・・。

「まあ、取材に来ても、場所ガラ、そのまま描くわけにはいかないしね~」
・・・みたいなイイワケをして我慢していたのだが、

本当は来てみたかったのだ!


三角公園の方に向かって歩くと、

水族館劇場「さすらい姉妹」の劇団員さんたちが
チンドン屋風に町を練り歩き、夕方から難波屋で
路上演劇「谷間の百合」の上演しますよ~と、宣伝して歩いていた。

なんだろう?この光景の切なさは・・・



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上演に先駆け、街で、ちんどん屋風に宣伝する水族館劇場「さすらい姉妹」の皆さん。後ろは西成警察。


Ohmata写真(転載禁止) 
その時のプラカードの絵








三角公園にて細胞が叫ぶ。


その、様子を横目に、ズンズン三角公園の方に進む。

進むにつれ、どんどん様子が変っていく。
全身の細胞が、脳に全力で忠告する!

「行くな!それ以上、行くな!」

だが、私は行った・・・。
行ってしまった!

かつて新宿駅地下にはダンボールハウス群があった・・・。


だが・・・到着したそこは・・・

あの、新宿のダンボールハウスが・・・

オシャレな別荘地に思えるほど・・・

本当にスラムだった・・・。



ああ、これが日本の吹き溜まり・・・

でも・・・

でも・・・

私だって、もしかしたら、ここに落ちていたかもしれない。

そう思うと・・・スラムの中にいる自分が想像出来てしまった。

私の細胞が全力で「行くな!」と叫んだのは、そのせいか・・・

・・・そのせいだったのか・・・。




Ohmata凄く嫌な漫画・イラスト・文章(転載禁止) 

私を含むバブルの頃に青春を過ごした世代は、誰も自分が
こうなる可能性があるなんて考えられないだろう・・・。

でも、まだまだ、日本は不安だ。

ある日、職を失い、

家族にも見捨てられる

・・・そんな未来が来ないと誰が言い切れるだろうか?

今、誰がこのスラムに生きる人たちを、自分と関係ないと言い切れるだろう。
だが、関係したくない、入りたくないという気持ちも全力で本音。

だから、細胞は叫ぶ。

「行くな!お前の未来のひとつの可能性を見るな!」

・・・と。



かつて、小沢昭一さんは一条さんの死に様を

「芸人らしい消え方」・・・みたいな事をおっしゃったそうですけど・・・

私は断言します!

「そんな、消え方がいいものか!」  
 






解放会館の凄まじさ・・・



気分を
仕切り直すなんて事が出来るはずも無く

私は、その足で一条さんの終の棲家となり、
葬式をあげた解放開館へ向かった・・・。

そこは、想像以上に凄まじい、廃墟のような建物だった・・・。



参考リンク④釜ヶ崎・解放会館(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%9C%
E3%83%B6%E5%B4%8E%E8%A7%A3%E6%
94%BE%E4%BC%9A%E9%A4%A8
 




驚いたのは、行って見ると、ウィキに写されてる写真と、

全然変ってないという事だ!

入り口に置いてあるリアカーも、オンボロなワンボックスも、

全然移動してないんじゃないかという、そんな光景だった。


そして・・・


あと数センチで90度なんじゃないかと思う程

恐ろしく急角度で、今にも崩れそうなズタボロな階段・・・。

上が見えない暗さ・・・


灯りはあるけど、灯りとして、役目を果たしていなくて

ただ、白い点があるだけ・・・


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ここが、人の暮らす所なのか?

こんなところで一条さんは暮らしていたのか? 

私は立ちつくした・・・

加藤詩子さんは445日、ここに来て
この階段を登って、
一条さんの面倒を見てたのか?

なんて事だ!

なんという事だ!



「一条さん!ようやくお会いする事が出来た思いがいたします。 」


階段の下で、暗がりを仰ぎ見て・・・私は、そう、つぶやいた・・・。









イベント開始・・・

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いつの間にやら、店の前に、かなりの人の数。

近隣の事を考えて、来客者に早くから並ばないで
もらっていたようで、そのせいで、ここに来てドッと集まった印象。
最終的には200人程集まったそうだ。
 

牧瀬茜姐さんもいる!私服!メチャ可愛い!
牧瀬姐さんは、今回、踊り子を代表して
追悼の辞を言うために来たのだ。

実は先だって池袋芸術劇場で見た「ストリッパー物語」も
牧瀬姐さんの振り付けだったので、さりげな~く
「連発!牧瀬茜ウィーク!」だったりする。


実は、7月28日に池袋の東京芸術劇場で
つかこうへいさんの「ストリッパー物語」を観ていた。
そちらの主人公も苗字が「一条」。ヒモの男の"本妻の娘”の
留学費を稼ぐため、封印していた母性が噴出して、
頑張りすぎてしまうベテランストリッパーの悲しい物語だ。
・・・もう、一条漬けである。



転載禁止 
今回の偲ぶ会は2部構成。一部は夕方5時よりスタートで
路上演劇「谷間の百合」と、6時半~7時半に追悼会が
行われ、20時30分から、観客総入れ替えで「谷間の百合」の
上演のみの第二部となる。つまり、「谷間の百合」は
一日二回、上演されたという事。
2部を見るためにはもう一度ドリンク代の300円を払う。
(つまり、300円で観られる演劇だったというわけ。安い!)


16時30分頃、整理番号順に入場開始。


店内、立ち飲みカウンターは壁を隔てて二つあり、
壁向こうのカウンターには、普通の呑み客がワイワイしている。
新宿の立ち飲み屋と、そんなに変わらない風景と客層。

こちら側には呑み客は流石にいない。

カウンター奥で300円払う。

カウンターを通り過ぎて、更に奥に行くと、
まるで、改装工事を途中でやめちゃったような
廃墟感溢れるライブスペース。

どうやら、ここでは普段、ジャズなどのライブをしているらしい。




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会場はイス無し。

床にブルーシートが敷かれてるだけ。
即効でケツが痛くなる。たまらん!
すぐに、観客でギューギュー。どうやら水族館劇場のファンの人も
多く来場している様子。

ストリップのレポ系ブロガーらしき人もいる。

あまりの混雑に、一人でも多くの人が座れる様にするために、
みんなで 「よいしょ~!」の掛け声で、ズイズイッと横移動。

その時に座り見は疲れそうだと判断し、立ち上がる。
ついでに缶チューハイをもらいに行く。
ウーロン茶もあったが、ジョッキに入れるようなので
コボすと嫌だから、呑みたくないチューハイにした・・・が、
呑まないで、カバンに入れる。ホテルで呑もう。




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残念なのが、会場に一条さんの写真とかが飾ってあるような
祭壇の様な物が無かった事。

来てるハズの「さゆリスト先輩客」の皆さんが花を手向けたりする
祭壇みたいのがあるかと 期待していたのだが、何故か無い・・・。

狭くて場所がないから?

残念だ・・・。手を合わせようと思ってたのに・・・。

(花は買うつもりで現地調達しようとしたけど、花屋がみつからなかった。
まあ、結局祭壇がなかったから無駄にならずに済んだとも言える・・・。)





夕方5時開演
さすらい姉妹「谷間の百合 -NAKED」
作・演出 桃山邑」






実は今回の公演で、この演劇は終了。もう二度とやらないそうだ。
もともとは、路上で演じられた演劇で、
2004年暮れに山谷初演以来
9年にわたり上演されてきた名作。私は初見。

物語は一条さゆりをベースにこそしているけど、けして一条伝説に
こだわらず、自由に構築されたシナリオ。

主役を演じる”鏡野有栖”姐さんは9年にわたり、一条さゆりを演じてきた。
それだけに、今回の西成公演は熱のこもりかたが尋常じゃなかった。

 (この姐さんは、舞台役者をする傍ら、実際にストリッパーとしても
 活動していて、ストリッパーとしては 「鏡乃有栖」名義で出ている)



借金のカタにストリッパーをやらされる事になる”鏡野/一条さゆり”

その前にたびたび現れる謎のボロを着た老女”晩年の一条さゆり”
(演ずるは、”さすらい姉妹”の座長の千代次さん)

そして”ヒモのチンピラ男””金の無心に来る実の姉”・・・

”駒田信二(何故かギャグキャラ化されていた)”・・・

一条さゆりに恋し、一条も密かに愛している”少し頭の弱い投光の男”

・・・等が、狭い難波屋の舞台で、(いささか窮屈そうだけど・・・)
切なくも熱情的な物語を展開していく。

しかし、けして、浅草の木馬館あたりでやりそうな大衆向け演劇の様な
わかりやすいストーリーというわけじゃありません。

魂の叫びに重点が置かれている。

鏡野姐さんは、”赤い腰の物”をまとい、三本蝋燭の熱いしたたりを
自らの手で、その細い体に垂らしていく。
鏡野姐さんの情熱が(哀愁を帯びて)ガーッと噴出している。

千代次さんも負けてはいない・・・

ラストシーン。いつの間にやら、ン年の月日が流れ、
千代次さん扮する”晩年の一条さゆり”の前に
先に死んでいた”少し頭の弱い投光の男” の霊が現れて
一条を、死後世の世界へ連れて行くために迎えに来るシーン・・・。

本当は、相思相愛だったハズなのに、”晩年一条”は、この男の事が
思い出せない・・・。

”若き日の自分”との会話の中で、この男の事は知っているのに、
肝心の自分自身の記憶からは消えている。

いや、記憶があるような気もするが
思い出せない・・・。

それは、多分、オノレの身に積もりに積もった
沢山の男たちの欲望と人生苦よる「記憶の圧死」

「思い出せないんだよ・・・」と泣き崩れる・・・。


「こんなボロを来ているけど、私は百合の花なんですよ!」・・・と
天に叫ぶ・・・。


そう、これは、一条さゆりの名を持つ
「ある踊り子」の物語なのである。


ただ、ちょい、「?」があった点が数点・・・、

まず、合間合間に入る他キャストによるコメディシーンですね。

暗い話なので、合間に笑いを入れようとするのはわかるんです。

でも、そのシーンの間、肝心の主人公”一条さゆり”が出て来ない!

このシーンの時間分、少し、集中力が落ちたのも事実。

まあ、これはあくまで私個人の集中力の問題では
あるんですけどね・・・。

また、駒田信二さんをギャグキャラにしたのも個人的には、疑問に思いましたね。 
しかし、何か考えがあっての事なんだろうなという事は想像出来ます。

もうひとつ言えば、実姉を悪者?にしたのもどうかと・・・


上演後、投げ銭タイム。観客が自分の判断でお金を鍋(でしたっけ?)
・・・に、入れていく。

お金は役者が自ら、会場を回り集めていく。

もちろん、私も恥ずかしい程、小額の投げ銭をさせていただきました。


衣装を着たままの鏡野姐さんが、会場を回りながら
感極まって、静かに涙をこぼしていた。

頬にて光る、一筋の線となったその涙が、
かの伝説の「一条さゆりの神々しい蜜の滴り」の様に見えて
実に美しかった・・・。












転載禁止
 西成の夕日。・・・在りし日の一条さんもこの夕日の光を見たんだろうか?















一条追悼会




「谷間の百合」上演後




少し間を置いて追悼会が行われた。
ここでようやく、一条さんの遺影が登場。
牧瀬茜姐さんによる
追悼の辞。   



 
参考リンク⑤MSN産経ニュース
写真(牧瀬姐さんの挨拶の様子)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/photos/130811/wlf13081118010035-p6.htm

参考リンク⑥MSN産経ニュース
(こちらには牧瀬姐さんの追悼の辞の内容が少し書かれている。
・・・が!飯干未奈さん(渡辺理緒さん)が”現役の踊り子”と勘違いされている。)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130811/wlf13081118010035-n3.htm








そして、
俳優でストリップ観劇歴も長い一色凉太さんによる、語り。
ご自身が、今回のイベントのチラシに書いた文章を
朗読されたり(駒田信二の本の内容と比べたり)された。
加藤詩子さんの「一条さゆりの真実~」についての紹介なども
されていた。
 






参考リンク⑥MSN産経ニュース
写真(一色凉太さんによる一条さゆりの思い出語り)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/photos/130811/wlf13081118010035-p7.htm






この時、来場されてた「さゆリスト」の方が
一条さんが引退された時に出された
記念写真集を持参されて、一色凉太さんに向い、

「みんなに見てほしい」

・・・と、その本を差し出しになられた。

チラリと開いて見せてくれる一色さん。

あー!何で、チラリとしか見せてくれないかなー!

その写真は、日舞と蝋燭のイメージが強い一条さんと違い
洋物の衣装を着た一条さんだった!

そう、ここが今回の追悼会で、唯一、大きな「?」!

もっと、観客に挙手していただいて
観客側の思い出も引き出して

みんなで、一条さゆりを語らなくちゃ
本当の追悼会にならないんじゃないでしょうか
? 


別に水族館劇場”さすらい姉妹”に文句があるわけじゃないんだけど・・・


第一部でこそ、牧瀬姐さんの追悼の辞や、飯干未奈渡辺理緒”姐さんの献舞や、
一条さんを知る人たちの思い出話に時間を割いてほしかった。



でも・・・文句ばかり言う気はありません。
この会を企画して、長い時間をかけて準備してくださった、
主催者の川上譲治さん!(写真家で元興行師)
そのご苦労と 行動力! その点には、ものすごく感謝しておりますし、
意義のある会だったと、 それは心底思います!









そして、追悼会のトリ!
飯干未奈さん(渡辺理緒)さんによる
献舞!伝説舞姫の献舞ですよ!





最初は、一条さんが「菩薩の様だ」と、言われていた事から
菩薩をテーマにした豪華な舞!  
 





参考リンク⑦MSN産経ニュース
写真(飯干未奈姐さんの菩薩舞)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/photos/130811/wlf13081118010035-p1.htm









一条さゆり「菩薩の様だ~伝説」に着目したのは、

意外に飯干姐さんだけなんじゃないでしょうか?

この点は、「谷間の百合」も「贋作・一条さゆり」も少し薄めになってるトコ。

さすが!伝説舞姫だ!







そして、2曲目は・・・

一条さん、ご自身が歌ったレコード。
「いのち花」で日舞を踊る!






参考リンク⑧MSN産経ニュース
写真(飯干未奈姐さんの「いのち花」)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/photos/130811/wlf13081118010035-p5.htm






献舞は時間にして、大体10分くらいで終了した。

個人的には、25分くらい、
飯干未奈さん"渡辺理緒”の
堂々たるソロステージが観たかった!


て、言うか・・・
牧瀬姐さんにも献舞してほしかった!











加藤詩子さんは・・・






さて・・・実は、今回の会で、ひとつ期待していたことがありました。

それは・・・もしかしたら・・・

加藤詩子さんが来るんじゃないか?
・・・という期待・・・。



残念ながら、加藤さんはいらっしゃらなかった・・・。



実は・・・加藤詩子さんは、行方不明・・・?

・・・らしい・・・。


複雑な心境・・・・

十七回忌という節目に
一番大事な人なのに・・・






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終了


20時30分頃から「谷間の百合」第二部スタート。
第二部は演劇だけ。 内容は一部と同じ。
追悼イベントは無し。


夜21時40分頃、全イベント終了。

最後に、もう一度、解放会館に出向き、
一条さんに別れを告げる。


心境としては、なんとも不思議な心境・・・


その原因は・・・、

加藤詩子さんに会えなかった事が・・・いちばん大きい。

お会いしたかった!お話してみたかった!

あの、解放会館の階段を見て・・・

加藤詩子とは、どういう人なのか・・・

そこが、改めて知りたくなっていた・・・。



大量の写真、録音テープ160本・・・

それを持って、表舞台から忽然と消えた
加藤詩子さん・・・。



複雑な心境でホテルに帰る・・。


明日は東京に戻って「贋作・一条さゆり」を観る。

私の早い盆休み初日は早々に暮れた・・・。 







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翌日8月4日





・・・東京・新宿に帰ってきた私。
もうひとつの一条さゆりの物語「贋作 一条さゆり」を見る為だ。

17時30分開場。

演ずるは現役ストリッパーの若林美保姐さん。ベテラン姐さん!





    手まり歌「一番はじめは」

一番はじめは一の宮 
二は日光東照宮   
三は讃岐の金比羅さん 
四は信濃の善光寺
五つ出雲の大社
六つ村々鎮守様
七つ成田の不動様
八つ八幡の八幡宮
九つ高野の弘法さん
十は東京招魂社
これだけ心願かけたなら
浪子の病も治るだろう
ごうごうごうと鳴る汽車は
武男と浪子の別列車
二度と逢えない汽車の窓
鳴いて血を吐くほととぎす










参考動画
YOUTUBEより 若林美保姐さん (動画は「贋作 一条さゆり」ではありません)

動画に問題あれば削除します。







シアターPOOの小さな舞台に、白地の着物とパイプ椅子が
置かれている。

着物はメガネ型のハンガーにかけられて、綺麗に、その
形状を客に見せている。

開演・・・

場内にストリップ劇場風?のアナウンスが流れる。


若林美保/一条さゆりが、白い(少し空気の抜けた)手毬をもって
現れる。 
  


手まり歌「一番はじめは」 ・・・を歌いながら・・・。



そして、唐突に手毬をポトンと床に落すが、・・・跳ねない・・・。

しばし、床に落ちて潰れている手毬を見つめている・・・。

拾い上げる・・・



また「一番はじめは」・・・を歌いだす。



また、手まりを床に落すが、・・・やはり跳ねない・・・ 

また、ジッと手毬を見つめる・・・


”静”から一条さゆりの物語を紡ごうと試みるスタート。

(”谷間~”の方は、割と騒々しく始る)


また、内容的には、どちらかと言うと、こっちの舞台は、
先に観た「谷間の百合」に比べて、「一条さゆりの真実~」や
「濡れた欲情」に比較的、沿った作りになっている模様ですね。
ちゃんと、「一条さゆりの真実~」に登場する人物も出てくる。

(ちなみに演出の秋山豊氏は、「濡れた欲情」の神代辰巳監督の
 助監督をしていた方)



そして、”若林/一条”は、劇中、急に(唐突に)少女時代に戻ったり
誰かに自分の語る虚実を追求されたかのように、戸惑ったりします。

それは、晩年の一条さんが、加藤詩子さんの留守電話等に
「誰かに話してるような」一人言をぶつぶつ言い出す
”妄想おばあちゃん”になってしまった頃の姿の様で、


つまり、この一人芝居は

その、晩年一条さゆりの

「一人言電話」を
舞台にしたような感じ・・・?

・・・と、私は解釈しました。

とにかく激しく悲しい舞台でもあり、

若林美保姐さんの熱演に、観る人は圧倒されるでしょう。








さて・・・



「谷間の百合」も「贋作 一条さゆり」も・・・
一条さゆりの忠実な再現ではなく、主役を演ずる”踊り子”の心の中にある、
「一条さゆり的な何か・・」を引き出そうとしている様な・・・そんな感じに
見受けられました。


そもそも、鏡野姐さんにしても、若林姐さんにしても(二代目さんにしても、
そして、私にしても)一条さんの舞台は観ていないワケで・・・。

たとえ、演者・または演出家本人が、自分自身では意識していなくても、
「自分の中の一条さゆり的な何か」を探り出そうとしてしまった一面があったのは
やはり事実だろうと思います。

だから、鏡野/一条と、若林/一条は、完全に別。

まさに”それぞれの一条さゆり”となっている。

鏡野/一条が、最初から熱情溢るるのに対し、若林/一条は
徐々に、火照るように熱を帯びていく一条さゆりだと思った。



少々、「?」めいた事を書いてしまえば・・・

二人の一条さゆりには
「濡れた欲情」で観られる一条さゆり本人の
「見てやぁ~」と、囁く、昭和の三十路女の
エロスと抱擁感は、どうしても見えてこない・・・。

「うち、お父ちゃんみたいな人見ると、サービスしとぉなりますねん」

・・・と、関西弁で(少々おばさん声で)語りかけてくる
「関西ストリップの女王」・・・の姿は、どうしても見えてこない・・・。

二つの劇に、唯一共通しているのは

「情念と熱情・・・悲哀」

「菩薩の様だ・・・」と言われた部分が少々薄め。
多分、両方とも西成没落後の”イメージ”から出来ているのでしょう。
 
でも、それが本当に現役時代の一条さんの舞台の上での姿なのか・・・
映画の中で花笠をかぶって踊っている一条さんの姿と、どうもダブらない・・・。

・・・と、いう事なんですね。

(まあ、私の漫画もそうなんですが・・・)


だから、一条さんを生で知る「さゆリスト」さん達が観たら
「全然違う!」・・・と、言われそうな気が、どうしても
してしまいますね。

(いや、これも私の漫画でも同じ事が言えるんだけど・・・。)


例えるなら・・・

41年後に急に

「贋作・篠崎ひめ&谷間のひめ」

・・・が製作されて

懐かしさから観にきたら「・・・誰?」みたいな・・・。



そう、乱暴な言い方をすれば、”二つの一条さゆり”には
完全に「観客側目線の一条さゆり」がスッポ抜けている。



「菩薩の様だ・・・」と言う点は、案外、演じる側・興行する側・・・の方々では
どういう事なのか、その感覚は、わからない事なのかもしれませんね。


多分、それは観客の立場でないと
わからない事なんでしょう。




大股戒次郎・新宿駅の前で立ち尽くす。




・・・と、いうわけで・・・
ふたつの一条さゆりの物語
を観て、
満足したんだけど、なにか 、何故か・・・
重い感情に支配されて、私は釈然としない思いで、新宿駅に
向かいました。夜の新宿の人ごみの中、私は重い足取りで歩いている。


なぜ、気分が重いのか、自分でもわからない。

物語の重さではない。

一条さゆりの物語の重さは最初から知っている。






知っている・・・。



・・・知って・・・いる・・・?







「知っている・・・*?」
 


「なにを?」




私は急に足がビタリと止まった!




加藤詩子さんが、姿を現さない、
その心境が・・・



一瞬・・・



わかったような気がしたからだ! 


もしかして、こういう事なんですか?
・・・と。




Ohmata漫画・イラスト(転載禁止) 





皆さんは経験がありませんか?


「誰とも共有できない、自分の中に閉じ込めるしかない人生経験・・・」


私は、当特設サイト”2景”の中で

「西成は一条さゆりが最後にたどり着いた本当の「孤児施設」・・・
加藤詩子さんは、その孤児施設の”やさしい面倒見のいい先生”
みたいな感じだったのではないか・・・?」



・・・と、言う様なことを書きました。



Ohmata漫画・イラスト(転載禁止) 



加藤詩子さんは、基本、取材でこそあったものの、
"妄想老人”と化していた一条さゆりさんの
面倒を445日間も見て、葬式まで出しました。

さらに、その後も一条さゆりさんの深い闇と謎に
果敢にも飛び込んで行かれたのは
「一条さゆりの真実~」をお読みになった方なら
周知の事でしょう・・・。


その経験は・・・ 
 
小沢昭一さんとも

まして二代目さんとも・・・

いや、一条さんの御遺族の方々とですら・・・

誰とも共有できない、加藤さんだけの
経験なんじゃないでしょうか?
 
極端に深い経験をした人は
逆に、その経験を人に話さなくなる
もんじゃないですか。



そんな人が・・・

見知らぬ他人の集まる”追悼会”で

マイクを持って、おしゃべりしたりするでしょうか?

だいたい、もう本にまとめてあるワケだし・・・ 。

Ohmata漫画・イラスト(転載禁止) 

一条さゆりに会った事のない人々が製作した、
どう、あがいても”イメージの世界の一条さゆり”でしかない、
”それぞれの一条さゆり"・・・が、出てくる演劇を鑑賞したりするでしょうか?
・・・漫画を・・・読んでくれるでしょうか?

結局は・・・

何を観ても読んでも、話しても・・・
誰も、加藤さんの経験は共有出来ないから、
深い深い、一条さゆりの迷宮を
ひとりで心に背負い込むしかないわけで・・・。


「私だけの(経験の)一条さゆり・・・」


・・・に、どうしたって、なってしまうんじゃないでしょうか?

それは、とても孤独な事でしょうね・・・。

人間、基本は皆、孤独ですが、

でも、一条さんは最後に加藤さんと逢えて、心の内を話せて

さぞ心穏やかになれたんじゃないかと思いますね。

加藤さんは本当に一条さんの「弁天さん」だったんだと思います。 



Ohmataイラスト・文章(転載禁止)   そんな、加藤詩子さんとは、現状ではお会いできない状態・・・
残念至極です・・・。



でも・・・。いつかお会いできる日が来ると
信じたいです。


まあ、案外、私の思いとは裏腹に「別に話してもいいですよ~」・・・と

サラッと言ってくれるかもしれないし。

そう、何を書いても結局、イメージの中の加藤詩子・・・でしかないわけですから。



いつか、お会いできる日を信じて



今は、出来うる限りの”一条さゆり追悼”を
しようと思います・・・。


どうか、加藤詩子様が、いつか、
このサイトに気がついて
くださいますように・・・
そう、祈ります。


そして、加藤さん!
あなたが今、幸せでありますように。 


あなたこそが、ある意味、
「今、生きている一条さゆり・・・」
・・・なんですから・・・。



                                         大股戒次郎



若林美保姐さん・鏡野有栖姐さん、ちょっと
生意気言ってすいませんでした。
でも、本当に熱演で素晴らしい舞台でした!
これからも一条さゆりさんを伝えていってください!



UP日 2013年 8月17日




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